- 【ピアノ】片手のための変奏曲作品ガイド:年代順にたどる
- ► はじめに
- ► 演奏形態について
- ► 年代順にたどる作品紹介
- ‣ ドライショク「左手のための変奏曲 Op.22」(1843年頃) [LH]
- ‣ ドライショク「『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』による大変奏曲 Op.129」(1854年以前) [LH]
- ‣ ブラームス編「J.S.バッハ シャコンヌ」(1877年編曲) [LH]
- ‣ ライネッケ「左手のためのピアノソナタ Op.179 より 第2楽章」(1884年) [LH]
- ‣ ラヴァネッロ「ドメニコ・スカルラッティの主題による、左手独奏のための練習曲形式の変奏曲 Op.109」(1918年出版) [LH]
- ‣ ヒンデミット「左手のためのピアノと管弦楽のための協奏曲 Op.29」(1922-23年) [LH]
- ‣ シュミット「ベートーヴェンの主題による協奏的変奏曲」(1923年) [LH]
- ‣ コルンゴルト「ピアノ五重奏曲 Op.15 より 第2楽章」(1924年出版) [LH]
- ‣ モンポウ「ショパンの主題による変奏曲 より 第3変奏」(1938-57年) [LH]
- ‣ ブリテン「ディヴァージョンズ Op.21」(1940年) [LH]
- ‣ コル・デ・フロート「左手と管弦楽のための幻想変奏曲」(1960-62年) [LH]
- ‣ ノヴァク「右手のための練習曲」(1982年) [RH]
- ‣ ソーザ「カプリッチョーソ(パガニーニの『奇想曲 第24番』の主題による)」(1995年) [LH]
- ‣ スロニムスキー「パガニーニによる左手のためのコンサート・エチュード」(2000年) [LH]
- ‣ クッラ「ドイツ民謡《月が出た》による変奏曲」(作曲年不明) [LH/RH]
- ► 作品一覧表
- ► どの作品に取り組むか
- ► 終わりに
【ピアノ】片手のための変奏曲作品ガイド:年代順にたどる
► はじめに
変奏曲(バリエーション)は、片手のための作品の中でも息の長い歴史を持ちます。独奏の演奏会用小品として書かれたものもあれば、協奏曲やソナタ、室内楽作品の楽章として組み込まれた例もあり、その規模や性格は多岐にわたります。
本記事では、「Variations」「Variazioni」「Variationen」「変奏曲」などをタイトルまたは楽章名に含む片手作品を、片手版が成立した年代順に取り上げました。
なお、J.S.バッハの「シャコンヌ」は広義には変奏曲の一種(バッソ・オスティナートによる変奏)に数えられますが、片手のための編曲は複数存在するため、本記事ではブラームス編曲版のみを取り上げています。他の編曲版との比較については、記事「【ピアノ】左手のみで演奏するJ.S.バッハ「シャコンヌ」編曲版の種類と背景」をご覧ください。
選曲や、作品の歴史をたどる際の手がかりとしてお役立てください。
なお、記事内で示す成立年は、原則として作品の作曲年を記載し、それが確認できない場合や編曲作品については、出版年など確認できる年代を示しています。範囲表記の場合は着手年を基準に並べています。
► 演奏形態について
本ガイドでは、作品名の末尾に以下の記号を付しています:
[LH]:左手のみで演奏
[RH]:右手のみで演奏
[LH/RH]:左手または右手で演奏
[LH][RH]:左手作品と右手作品が両方入っている項目など
作品を実際にどちらの手で演奏できるかではなく、作曲者・編曲者が指定した演奏形態を基準として、[LH][RH][LH/RH]を付しています。
► 年代順にたどる作品紹介
‣ ドライショク「左手のための変奏曲 Op.22」(1843年頃) [LH]
譜例(PD楽曲、浄書ソフトで作成、1-4小節)

超絶技巧で聴衆を沸かせた19世紀ボヘミアのピアニスト、アレクサンダー・ドライショク(1818-1869)が片手のために残した変奏曲。
朗唱ふうのパッセージによる導入に続き、アルベルティ・バスに支えられた叙情的な主題(Andante con espressione)が置かれ、そこから3つの変奏とフィナーレへと発展していきます。譜面は一貫して一段書きでありながら音域の使い方は広く、片手であることを感じさせない書法が特徴です。
演奏時間は約7分、難易度はツェルニー40番修了程度。
ドライショクについて詳しく知る
【ピアノ】左手作品から読み解くドライショク:片手で二人分を弾いた男
‣ ドライショク「『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』による大変奏曲 Op.129」(1854年以前) [LH]
譜例(PD楽曲、浄書ソフトで作成、1-4小節)

Op.22に続き、ドライショクが英国国歌の旋律を題材に書いたもう一つの片手変奏曲。
主題の変容そのものを味わわせるというより、演奏至難のパッセージを次々と繰り出すことで聴衆を圧倒する、いわば見せ場としての性格が色濃い一曲です。当時のヴィルトゥオーゾ文化を体現するピースと言えるでしょう。
演奏時間は約8分、難易度はツェルニー40番修了程度。
ドライショクについて詳しく知る
【ピアノ】左手作品から読み解くドライショク:片手で二人分を弾いた男
‣ ブラームス編「J.S.バッハ シャコンヌ」(1877年編曲) [LH]
譜例(PD楽曲、浄書ソフトで作成、1-5小節)

J.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのための名曲を、ヨハネス・ブラームス(1833-1897)が左手一つで弾けるように書き直した「シャコンヌ」。
1877年6月、右手を痛めていた友人クララ・シューマンに宛てて贈られた編曲で、バッソ・オスティナートの上に積み重なる変奏の連なりを、原曲の骨格を尊重しながら一本の手へと凝縮しています。片手のための変奏形式作品としては、今なお最も広く演奏される一曲でしょう。
演奏時間は約17分、難易度はツェルニー40番修了程度。
この作品についてさらに詳しく知る
・【ピアノ】バッハ=ブラームス「シャコンヌ」完全ガイド:難易度・楽譜選択のポイント
・【ピアノ】左手のみで演奏するJ.S.バッハ「シャコンヌ」編曲版の種類と背景
‣ ライネッケ「左手のためのピアノソナタ Op.179 より 第2楽章」(1884年) [LH]
譜例(PD楽曲、浄書ソフトで作成、1-4小節)

ライプツィヒ音楽院で教鞭を執ったカール・ライネッケ(1824-1910)が全4楽章のソナタの中に組み込んだ変奏形式による楽章。
第2楽章(Andante lento)は、ハンガリー民謡「Nemenj rózsám a tarlóra」を主題とした変奏形式で書かれており、両端楽章のソナタ形式・ロンド形式とは異なる性格を持ち込むことで、全曲に多様な表情を与えています。19世紀に出版された片手ソナタとしてはごく数少ない例の一つです。
この楽章の演奏時間は約3分40秒、難易度はツェルニー40番中盤程度。
ライネッケについて詳しく知る
左手作品から読み解くカール・ライネッケ:19世紀に左手ソナタを書いた先駆者
‣ ラヴァネッロ「ドメニコ・スカルラッティの主題による、左手独奏のための練習曲形式の変奏曲 Op.109」(1918年出版) [LH]
譜例(PD楽曲、浄書ソフトで作成、1-4小節)

ヴェネツィアでオルガンと作曲を修めたイタリアの音楽家、オレステ・ラヴァネッロ(1871-1938)による大規模なコンサートピース。
スカルラッティ「ソナタ K.19 L.383」の冒頭8小節を出発点に、性格の異なる16の変奏とコーダへと展開する構成をとります。中でもPrestoで3度音程が高速に駆け抜ける第5変奏や、跳躍の連続するコラール風の第9変奏は聴きどころで、ヴァルター・ゲオルギイも著書の中で「イタリアの片手作品への唯一無二の貢献」と評しています。
演奏時間は約12分、難易度はツェルニー50番入門以降程度。
‣ ヒンデミット「左手のためのピアノと管弦楽のための協奏曲 Op.29」(1922-23年) [LH]
※著作権保護期間中につき、譜例は掲載不可
パウル・ヴィトゲンシュタインの委嘱により、20代のパウル・ヒンデミット(1895-1963)が書いた全4楽章の協奏曲。
第3楽章はトリオとバッソ・オスティナートの2部からなり、変奏曲的な性格を帯びています。作曲者自身は献呈者に宛てた手紙で「シンプルで問題のない作品」と説明していますが、ヴィトゲンシュタインは生涯この曲を演奏せず、独占的な権利を手放しもしなかったため、楽譜は長く日の目を見ませんでした。ヴィトゲンシュタインの遺品調査を経て、作曲から実に81年後の2006年になってようやく出版されています。
演奏時間は約4分、難易度はツェルニー50番入門以降程度。
‣ シュミット「ベートーヴェンの主題による協奏的変奏曲」(1923年) [LH]
譜例(PD楽曲、浄書ソフトで作成、1-3小節)

ウィーン音楽院でブルックナーの対位法に学んだフランツ・シュミット(1874-1939)が、ヴィトゲンシュタインのために書いた全7部の協奏的変奏曲。
ベートーヴェン「ヴァイオリンソナタ 第5番『春』」の第3楽章のスケルツォ主題をもとに、緩やかな序奏から次第に主題へと導かれていく構成です。ヴィトゲンシュタイン自身の教則本の付録にも管弦楽主題が抜粋掲載されるなど、彼の教育活動と縁の深い作品でもあります。1953年にはフリードリヒ・ヴューラーによる両手版も出版されました。
演奏時間は約28分、難易度はツェルニー50番入門以降程度。
‣ コルンゴルト「ピアノ五重奏曲 Op.15 より 第2楽章」(1924年出版) [LH]
ウィーンで神童として名を馳せたエーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト(1897-1957)が、もともとヴィトゲンシュタインのために書いた室内楽作品。
第2楽章(Adagio)は、作曲者自身の歌曲集「別れの歌 Op.14」の旋律を素材とする自由な変奏曲として書かれています。現在広く知られる両手版は彫刻家グスティヌス・アンブロージに献呈された改訂稿で、左手版はそれに先立つオリジナルにあたります。
この楽章の演奏時間は約10分、難易度はツェルニー50番入門以降程度。
‣ モンポウ「ショパンの主題による変奏曲 より 第3変奏」(1938-57年) [LH]
※著作権保護期間中につき、譜例は掲載不可
カタルーニャの作曲家、フェデリコ・モンポウ(1893-1987)による全12変奏の連作の中の一曲。
構想は1938年、チェリストのガスパール・カサドとの共作案から始まりましたがいったん中断し、ロンドン・ロイヤル・バレエの依頼を機に1957年、19年越しで全曲が完成しました。主題はショパン「プレリュード Op.28-7」から取られ、全12変奏のうち左手独奏で書かれているのはこの第3変奏(Lento)だけです。初演は1964年、カタルーニャのピアニスト、アルベルト・アテネリェによって行われています。
演奏時間は約1分、難易度はツェルニー30番修了〜40番入門程度。
‣ ブリテン「ディヴァージョンズ Op.21」(1940年) [LH]
※著作権保護期間中につき、譜例は掲載不可
ベンジャミン・ブリテン(1913-1976)が、ヴィトゲンシュタインの委嘱に応えて1940年に完成させた協奏的変奏曲。
初演は1942年、フィラデルフィア管弦楽団とオーマンディの指揮のもと、ヴィトゲンシュタイン自身の独奏で行われました。当初「コンサート・ヴァリエーションズ」と題されていたこの曲は、両手のテクニックを片手でなぞるのではなく、一本の声部が持つ可能性をあらゆる方向から掘り下げることを狙いとしています。管弦楽の書法が厚すぎるというヴィトゲンシュタインの異議にブリテンは応じませんでした。
演奏時間は約25分、難易度はツェルニー50番入門以降程度。
この作品についてさらに詳しく知る
【ピアノ】ラヴェルとブリテンの左手協奏曲:対照的な二つのコンセプトを比較する
‣ コル・デ・フロート「左手と管弦楽のための幻想変奏曲」(1960-62年) [LH]
※著作権保護期間中につき、譜例は掲載不可
1959年に右手の自由を失ったオランダのピアニスト・作曲家、コル・デ・フロート(1914-1993)自身が書いた全7楽章・3グループ構成の協奏的作品。
序奏・夜想曲・スケルツォ / クワジ・ワルツァー・バーレスク / 喚起・フィナーレという3つの群に分かれ、それぞれの内部はアタッカでつながれます。活気にあふれた大規模な作品ながら独奏ピアノの書法自体は意外にも簡潔にまとめられており、この点は同時期のブリテン「ディヴァージョンズ」とも通じるところがあります。ヨハン・ワーヘナール財団に献呈されました。
演奏時間は約22分、難易度はツェルニー50番入門以降程度。
コル・デ・フロートについて詳しく知る
【ピアノ】左手作品から読み解くコル・デ・フロート:オランダ左手ピアノ音楽の一章
‣ ノヴァク「右手のための練習曲」(1982年) [RH]
※著作権保護期間中につき、譜例は掲載不可
1980年の脳卒中で左手の自由を失ったアメリカの作曲家、ライオネル・ノヴァク(1911-1995)が自らのウォームアップ用に書いた右手独奏曲。
小節線を持たず、付点8分音符=120という独特のテンポ指示のもとに書かれた16分音符主体の練習曲で、同音連打とオクターヴ跳躍を軸に据えた、変奏曲を思わせる構成が採られています。発症直後、複数の作曲家仲間から右手独奏作品が寄せられたことがきっかけとなり生まれました。
演奏時間は約2分30秒、難易度はツェルニー40番修了程度。
ライオネル・ノヴァクについて詳しく知る
【ピアノ】片手作品から読み解くライオネル・ノヴァク:左手の自由を失った音楽家と右手のための音楽
‣ ソーザ「カプリッチョーソ(パガニーニの『奇想曲 第24番』の主題による)」(1995年) [LH]
※著作権保護期間中につき、譜例は掲載不可
右手の負傷をきっかけに左手のレパートリーを自作自演する道を選んだ、アルゼンチン出身カナダのラウル・ソーザ(1939- )によるパガニーニ変奏曲。
1段譜と大譜表が場面ごとに使い分けられ、大きな跳躍や厚い和音、複雑な声部の重なりなど多彩な書法で書かれています。変奏の一つ「Berceuse chinoise」は黒鍵のみで演奏される仕掛けが施されており、冒頭のヴァイオリンを模した音型では、原曲では不可能な和音を補って響きの厚みを補強しています。初演は1995年、ウィニペグ・アーツ・ギャラリーにて作曲者自身によって行われました。
演奏時間は約12分、難易度はツェルニー50番入門以降程度。
ソーザについてさらに詳しく知る
・【ピアノ】左手作品から読み解くラウル・ソーザ:右手の負傷が開いた、もう一つのキャリア
・【ピアノ】ラウル・ソーザ「An Anthology for the Left Hand」レビュー
‣ スロニムスキー「パガニーニによる左手のためのコンサート・エチュード」(2000年) [LH]
※著作権保護期間中につき、譜例は掲載不可
レニングラード楽派に属し、多彩な語法を折衷的に用いたことで知られるロシアの作曲家、セルゲイ・スロニムスキー(1932-2020)による小品。
リストやブラームス、ラフマニノフも用いた有名なパガニーニ主題をもとに、変奏形式風の展開を見せます。冒頭から主題を低音域と中高域に分解し急激な跳躍を生む書法にすでに作曲者らしい遊び心が表れており、親しみやすい旋律素材と現代的な語法が同居しているのが持ち味です。
ハーバート&イヴリン・アクセルロッド夫妻の委嘱によりゲイリー・グラフマンのために書かれ、Ruby Morgan編のアンソロジー(2021年)で初めて出版されました。
演奏時間は約2分、難易度はツェルニー40番修了程度。
収録:「An Anthology of Piano Music for the Left Hand Alone」(編:ルビー・モーガン/Carl Fischer)
‣ クッラ「ドイツ民謡《月が出た》による変奏曲」(作曲年不明) [LH/RH]
※著作権保護期間中につき、譜例は掲載不可
ケルン音楽大学でヴァルター・ゲオルギイらに師事したドイツの音楽教育者、ハンス・クッラ(1910-1956)による、左右どちらの手でも演奏可能な変奏曲。
主題として選ばれたドイツ民謡「Verstohlen geht der Mond auf」は、ブラームスが「ピアノソナタ 第1番 Op.1 より 第2楽章」の変奏の素材に用いたものと同じ旋律です。変奏の大半は対位法的な書法で進みますが、「Sehr langsam und düster(非常にゆっくりと、陰鬱に)」と記された一変奏のみ、オルゲルプンクトを伴う和声的な書き方に転じ、印象的な対比を作っています。楽譜には左右両方の運指が併記されているのが特徴と言えるでしょう。
演奏時間は約2分30秒、難易度はツェルニー30番中盤程度。
収録:「片手で弾くピアノ曲集」(編:ヴァルター・ゲオルギイ/音楽之友社)ほか
► 作品一覧表
| 作曲家 | 作品 | 成立年 | 演奏時間 | 難易度目安 |
|---|---|---|---|---|
| ドライショク | 左手のための変奏曲 Op.22 | 1843年頃 | 約7分 | ツェルニー40番修了 |
| ドライショク | 「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」による大変奏曲 Op.129 | 1854年以前 | 約8分 | ツェルニー40番修了 |
| J.S.バッハ/ブラームス編 | シャコンヌ(左手のための) | 1877年 | 約17分 | ツェルニー40番修了 |
| ライネッケ | 左手のためのピアノソナタ Op.179 より 第2楽章 | 1884年 | 約3分40秒 | ツェルニー40番中盤 |
| ラヴァネッロ | スカルラッティの主題による変奏曲 Op.109 | 1918年 | 約12分 | ツェルニー50番入門以降 |
| ヒンデミット | 左手のためのピアノと管弦楽のための協奏曲 Op.29 | 1922-23年 | 約4分 | ツェルニー50番入門以降 |
| シュミット | ベートーヴェンの主題による協奏的変奏曲 | 1923年 | 約28分 | ツェルニー50番入門以降 |
| コルンゴルト | ピアノ五重奏曲 Op.15 より 第2楽章 | 1924年 | 約10分 | ツェルニー50番入門以降 |
| モンポウ | ショパンの主題による変奏曲 より 第3変奏 | 1938-57年 | 約1分 | ツェルニー30番修了〜40番入門 |
| ブリテン | ディヴァージョンズ Op.21 | 1940年 | 約25分 | ツェルニー50番入門以降 |
| コル・デ・フロート | 左手と管弦楽のための幻想変奏曲 | 1960-62年 | 約22分 | ツェルニー50番入門以降 |
| ノヴァク | 右手のための練習曲 | 1982年 | 約2分30秒 | ツェルニー40番修了 |
| ソーザ | カプリッチョーソ | 1995年 | 約12分 | ツェルニー50番入門以降 |
| スロニムスキー | パガニーニによる左手のためのコンサート・エチュード | 2000年 | 約2分 | ツェルニー40番修了 |
| クッラ | ドイツ民謡《月が出た》による変奏曲 | 不明 | 約2分30秒 | ツェルニー30番中盤 |
※難易度表記はあくまで目安です。左手演奏への慣れや手の大きさなどによって実際の難しさは変わります。
► どの作品に取り組むか
これから片手の変奏曲作品に触れてみたい方には、クッラの変奏曲など、演奏時間・難易度ともに無理のない作品から入るのがおすすめです。短い曲の中でも主題がどう姿を変えていくかを追いやすく、片手変奏曲というジャンルの面白さを実感しやすいでしょう。
そこからバッハ=ブラームスの「シャコンヌ」といった規模の大きな変奏曲へ進むことで、一つの主題がどこまで拡張されうるかを味わうことができます。ドライショクのような19世紀の技巧的な変奏曲から、スロニムスキーら現代の作曲家の作品まで見渡すと、このジャンルが時代とともにどのような発想の転換を経てきたかもうかがえるはずです。
► 終わりに
変奏曲というジャンルは、一つの主題を出発点に、協奏曲的な大作からソナタや室内楽の一楽章、そして数分で完結する小品まで、幅広い規模で書き継がれてきました。ひとつの主題がどこまで異なる表情を見せられるか、ぜひ実際の音で確かめてみてください。
当サイトでは、作曲家・作品ごとに片手作品を整理した「左手ピアノ作品ライブラリー:作曲家別」を公開しています。変奏曲以外の作品についても知りたい場合は、あわせてご覧ください。
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