【ピアノ】ダニー・ボーイ〜左手独奏のための〜:楽譜と演奏のポイント

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【ピアノ】ダニー・ボーイ〜左手独奏のための〜:楽譜と演奏のポイント

► はじめに

 

本記事では、世界中で愛されている名曲「ダニー・ボーイ(Danny Boy)」を、左手のみで演奏できるようにアレンジした筆者の編曲作品を紹介します。

左手だけでも豊かな響きが得られるよう、声部の配置や音域に工夫を凝らしました。左手のレパートリーを増やしたい方はもちろん、ピアノ編曲を学びたい方の参考資料としてもお使いいただけます。

楽譜は、詳しい演奏解説付きのPDF版として、楽譜ストア「One-Hand Piano Editions」で販売しています。

楽譜を見る:ダニー・ボーイ〜左手独奏のための〜(One-Hand Piano Editions)

 

楽曲情報

・旋律:Traditional(アイルランド民謡)
・原曲:ロンドンデリーの歌(Londonderry Air)
・編曲:タカノユウヤ
・難易度:ツェルニー40番入門程度
・演奏時間:約2分30秒
・調性:Es-dur
・原旋律:パブリックドメイン

 

►「ダニー・ボーイ」について

 

アイルランドの古い旋律に、のちに英語の詞がつけられて生まれた歌です。アイルランドを象徴する一曲として、世界中で歌い継がれています。

 

成り立ち

旋律は「ロンドンデリーの歌(Londonderry Air)」として知られる、作者不詳の民謡です。現在の北アイルランドにあたるロンドンデリー県リマヴァディに住んでいたジェーン・ロスが採譜したものが、1855年刊行のジョージ・ペトリの曲集に収められ、広く知られるようになりました。

一方、歌詞を書いたのはイギリスの弁護士で作詞家のフレデリック・ウェザリーです。1910年に書いた詞を1913年にこの旋律に合わせて手直しし、「ダニー・ボーイ」が誕生しました。旋律が楽譜として世に出てから、半世紀以上を経て詞と結びついたことになります。歌詞は、遠くへ旅立つ若者を見送る家族の心情として読まれることが多く、その切なさが旋律の美しさと重なって、多くの人の心をつかんできました。

 

左手独奏との相性

旋律はゆったりとした4拍子で進み、メロディの随所に伸ばす音が現れます。その「間」に伴奏や対旋律を差し込めるので、左手のみでも音楽が途切れにくく、本編曲でも3連符の動きをここに配置しています。

 

► 参考音源と演奏のポイント

‣ 参考音源

 

 

‣ 演奏ポイント

 

この編曲を弾くうえで、特に大切なポイントを紹介します。

 

メロディと内声のバランス

この編曲では、メロディを追いかける内声や、メロディと近い音域で鳴る内声が随所に出てきます。これらがメロディの一部に聴こえないよう、内声は静かに弾き、メロディが浮かび上がるようにバランスを作りましょう。高い音域で鳴る音も、メインメロディでない場合は目立ちすぎないように注意します。

 

3連符と16分音符の扱い

メロディが音を伸ばしている「間」には、比較的多く3連符の動きを配置しています。前半では重くならないように、後半では少し歌わせるように、場面に応じて表情を変えてみてください。16分音符が増える箇所では、テンポはそのままで、音の細かさだけが変わるという意識がポイントです。

 

アルペッジョのタイミング

アルペッジョは拍の前に出して演奏し、メロディの音が拍の位置にくるように弾きましょう。必要以上に間延びしないことで、旋律の流れが自然に保たれます。

 

販売中の楽譜には、練習番号ごとの詳しい演奏解説(内声の弾き分け、ハーモニーの変化の感じ方、上行パッセージの弾き方、曲の閉じ方など)を収録しています。

 

► この編曲の活用例

 

発表会・演奏会:左手独奏によるレパートリーとして
編曲学習の教材:左手編曲の参考資料として
BGM:落ち着いた雰囲気の鑑賞用音楽として
左手の基礎練習:左手の独立性や表現力を高めるトレーニングとして

 

この編曲の利用について

原旋律はパブリックドメインであり、本編曲についても編曲者が自由な演奏利用を認めています。そのため、発表会や演奏会、動画投稿などで演奏する際に、著作権使用料の支払いや事前の許諾申請は必要ありません。

演奏の際は、編曲者名(タカノユウヤ)をクレジットとして記載していただきますようお願いします。

 

► 楽譜のご購入

 

この編曲の楽譜は、楽譜ストア「One-Hand Piano Editions」でPDF版を販売しています。

・内容:楽譜(2ページ)、演奏解説(3ページ)、表紙、編曲者プロフィール
・形式:PDF(A4)、ダウンロード販売
・価格:1,300円(税込)

楽譜ストアで見る

 

► 終わりに

 

左手だけで弾く「ダニー・ボーイ」ならではの響きと、片手編曲特有の音の配置を、ぜひお楽しみください。

本編曲で用いた左手編曲の基本的な手法は、【ピアノ】左手編曲のテクニック 完全ガイド にまとめています。自身で編曲に挑戦してみたい方は、あわせて参考にしてください。

 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

左手・片手のためのピアノ音楽を専門とし、作曲・編曲、講演などを行っています。また、当サイト「One-Hand Piano Institute」を運営し、作品・作曲家・音楽史・技術(作曲・編曲・演奏)・楽譜・文献まで、片手で演奏するピアノ音楽を多角的に紹介しています。

日本音楽コンクールをはじめ、国内外の作曲コンクールで受賞歴を持ち、これらの受賞作品はいずれも、左手ピアノを編成に含むアンサンブル作品、および、左手のためのピアノ独奏作品です。
また、大学院では左手のためのピアノ音楽における作曲・編曲をテーマに研究し、首席で修了しています。

右手の負傷をきっかけに出会った左手のためのピアノ音楽に心惹かれ、以来15年以上、この分野に取り組んできました。左手音楽の魅力と可能性を、より多くの方に知っていただけたら嬉しく思います。

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