左手ピアノ作品ライブラリー:作曲家別 P-R

左手ピアノ作品ライブラリー:作曲家別 P-R

► はじめに

 

本ページでは、P-Rで始まる作曲家の左手ピアノ作品をまとめています。作曲作品・編曲作品・教本・室内楽・協奏曲などを、作曲家ごとに整理しています。

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左手ピアノ作品ライブラリー:作曲家別

 

► 作曲家別 P-R

‣ Petyrek, Felix(1892-1951) フェリックス・ペチュレク

 

フェリックス・ペチュレク(1892年ブルノ生まれ、1951年ウィーン没)はオーストリア(チェコスロバキア)の作曲家・ピアニストです。ウィーンでフランツ・シュレーカーに作曲を、グイド・アードラーに音楽学を師事し、ザルツブルク、アパツィア(イタリア)、アテネ、ドイツ各地の音楽学校で教えたのち、1949年からウィーン音楽アカデミーで指導しました。表現主義から新古典主義まで、同時代の幅広い傾向を作品に取り込んだ作曲家です。

 

· Zwei Tanzstücke

 

邦題:2つの舞曲

分類:オリジナル作品(独奏)
収録:「片手で弾くピアノ曲集」(編:ヴァルター・ゲオルギイ/音楽之友社)ほか

 

構成

第1番(右手独奏のための)
第2番(左手独奏のための)

 

第1番(右手独奏のための)

譜例(PD作品、浄書ソフトで作成、1-6小節)

ペチュレク「2つの舞曲 より 第1番(右手独奏のための)」1-6小節

演奏時間:約1分
難易度:ツェルニー30番中盤程度

半音階的なマイナー・クリシェの和声で幕を開けるワルツです。2曲を通じて共通する特徴として、跳躍を多く含む運動性の高い音型と、半音階的な和声が頻繁に現れる点が挙げられます。

 

第2番(左手独奏のための)

譜例(PD作品、浄書ソフトで作成、1-5小節)

ペチュレク「2つの舞曲 より 第2番(左手独奏のための)」1-5小節

演奏時間:約1分
難易度:ツェルニー30番修了程度

第1番と同様、跳躍と半音階的な和声が随所に現れますが、こちらはどこか諧謔的な性格を帯びており、第1番とはひと味異なる表情を持っています。H-durの中に独特のひねりが加わった一曲です。

 

‣ Philipp, Isidor(1863-1958) フィリップ

 

イシドール・フィリップ(1863-1958)はハンガリー出身のフランスのピアニスト・教育者で、パリ音楽院では1893年から1934年まで教鞭を執りました。左手のための教材づくりにも積極的に取り組んでおり、1895年には全編が左手独奏のための練習曲集「Exercices et études techniques」を出版しています。右手向けの音型をそのまま左手へ移すという、当時としては新鮮な発想による教材でした。

 

· Chaconne by J.S. Bach for the left hand alone

 

譜例(PD作品、浄書ソフトで作成、1-5小節)

J.S.バッハ作曲、フィリップ編曲「シャコンヌ」の楽譜。曲の冒頭の譜例が掲載されている。

 

邦題:J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004 より シャコンヌ(左手独奏編曲版)

 

出版年:1903年(「4 Etudes d’après Bach バッハによる4つの練習曲」の第4曲として)
演奏時間:約17分
難易度:ツェルニー50番入門以降程度
分類:編曲作品(独奏)

 

1903年出版の「4 Etudes d’après Bach バッハによる4つの練習曲」は、バッハの無伴奏ソナタ・パルティータから4曲を選んで左手用に編んだもので、シャコンヌはその第4曲にあたります。ブラームス版と比べると技巧的な難度も高めの仕上がりです。

興味深いのは、フィリップが独自のシャコンヌ編曲を手がける一方で、ブラームス編のシャコンヌをデュラン社から自ら監修して出版もしている点です。独自のアーティキュレーションなどを書き込んでいる事実から、フィリップがブラームス版を高く評価していたことが見てとれます。

 

J.S.バッハ「シャコンヌ」の他の左手編曲と比較する

【ピアノ】左手のみで演奏するJ.S.バッハ「シャコンヌ」編曲版の種類と背景

 

‣ Pohl, Vladimir(1880-1962) ウラジーミル・ポール

 

ウラジーミル・ポールはロシア出身の作曲家・ピアニストです。1875年に父親の滞在先であったパリで生まれ、幼少期から青年期をキエフで過ごしました(※古い資料では1880年キエフ生まれとする記述も散見されます)。キエフ大学で自然科学を学ぶかたわら、キエフ音楽院ではピアノを学び、その後モスクワ音楽院でタネーエフに作曲を学びました。

1904年にはクリミア音楽協会の責任者を務めるなど、革命前のロシアで演奏家・組織者として活動しています。1922年に亡命してコンスタンティノープルへ、その後ドイツを経て1925年にパリへ落ち着きました。パリでは演奏活動のほか、パリ・ロシア音楽院の創立に関わり、後年は同院の院長も務めています。音楽評論家としても活動し、メトネルらについての評論を残しました。

1962年、パリで没しています。

 

· Valse Impromptu, Op.19 No.1

 

※著作権保護期間中につき、譜例は掲載不可

邦題:即興ワルツ Op.19-1(《2つの小品》Op.19 より 第1曲)

 

出版:1947年
演奏時間:約3分30秒
難易度:ツェルニー40番修了程度
分類:オリジナル作品(独奏)
献呈:レオン・ムラヴィエフ氏に献呈

 

「2つの小品 Op.19」の第1曲として書かれた左手独奏用のワルツです。楽譜には「pour la main gauche(左手のために)」と明記されています。

性格の異なる複数の部分から構成された演奏会用のワルツで、跳躍の大きい箇所が多く出てくるのが特徴の一つと言えるでしょう(テンポ構成:Moderatoで6小節 →♩=120になり38小節 → Più vivoになり38小節、♩=120になり66小節)。

曲中では小節線をまたぐ連桁︎(れんこう)が度々用いられており、拍子そのものは変わらないもののワルツらしい3拍子の感覚がしばしば曖昧にされる書き方が特徴的です。この手法は終結部にも現れますが、最後は明確な3拍子の感覚を取り戻し、軽やかな足取りで曲を閉じます。

 

‣ Ponce, Manuel(1882-1948) ポンセ

· Malgré tout

 

譜例(PD楽曲、浄書ソフトで作成、1-3小節)

ポンセ「マルグレ・トゥー」1-3小節の楽譜。

邦題:マルグレ・トゥー

 

作曲年:1900年
演奏時間:約3分30秒
難易度:ツェルニー30番中盤程度
分類:オリジナル作品(独奏)

 

ポンセがまだ10代のころに書いた左手独奏のための小品で、ハバネラリズムに乗った、魅力的で生き生きとした旋律と伴奏が特徴的です。大きな跳躍、ギター風の音遣い、装飾音など、表現の工夫が随所に盛り込まれています。

題名「Malgré tout(それにもかかわらず)」は、メキシコの彫刻家ヘスス・フルクトゥオソ・コントレラス(1866-1902)の同名の彫刻作品から着想を得ています。コントレラスは癌により右腕を失いながらも制作を続けたことで知られており、ポンセはこの彫刻に敬意を込めてこの曲を書いたとされています。

 

· Prelude and Fugue

 

前奏曲

譜例(PD楽曲、浄書ソフトで作成、1-3小節)

ポンセ「前奏曲とフーガ より 前奏曲」1-3小節の楽譜。

フーガ

譜例(PD楽曲、浄書ソフトで作成、1-4小節)

ポンセ「前奏曲とフーガ より フーガ」1-4小節の楽譜。

邦題:前奏曲とフーガ

 

作曲年:1931年
演奏時間:約5分30秒(前奏曲とフーガ合計で)
難易度:ツェルニー40番中盤程度
分類:オリジナル作品(独奏)

 

ヘンデルの主題による左手独奏のための前奏曲とフーガ。パウル・ウィトゲンシュタインのために書かれた可能性が考えられています。

前奏曲は旋律を声部分けで示しながらギターで演奏しているかのように線的に進み、フーガは半音階的な進行と「嘆息」の動機が印象的です。

 

‣ Prokofiev, Sergei(1891-1953) プロコフィエフ

 

セルゲイ・プロコフィエフ(1891年ウクライナ・ソンツォフカ生まれ、1953年モスクワ没)はソビエト・ロシアを代表する作曲家・ピアニストです。鮮烈なリズム感と皮肉めいた機知などに独自のスタイルを持ち、交響曲、協奏曲、バレエ、ピアノ曲など幅広いジャンルで20世紀音楽に大きな足跡を残しました。

 

· Piano Concerto No.4 in B-flat major, Op.53

 

原曲譜例(PD楽曲、浄書ソフトで作成、1-4小節)

プロコフィエフ「ピアノ協奏曲 第4番 変ロ長調 Op.53(左手のための)」1-4小節

※アナトリー・ヴェデルニコフ編は、著作権保護期間中につき、譜例掲載不可

邦題:ピアノ協奏曲 第4番 変ロ長調 Op.53(左手のための)

 

作曲年:1931年
ピアノ・スコア(ピアノ伴奏版):アナトリー・ヴェデルニコフ編(1961年)
演奏時間:約24分
難易度:ツェルニー50番入門以降程度
分類:オリジナル作品(協奏曲)
献呈:パウル・ヴィトゲンシュタイン
初演:1956年9月5日、ジークフリート・ラップ(ピアノ)

 

構成(全4楽章)

I. Vivace
II. Andante
III. Moderato
IV. Vivace

 

作品の成立と経緯

ヴィトゲンシュタインの委嘱により1931年にパリで完成した左手と管弦楽のための協奏曲です。しかしヴィトゲンシュタインはこの作品を受け入れませんでした。彼はプロコフィエフへの返書に「この曲には一音も理解できるところがなく、生涯演奏しない」と記しています。プロコフィエフ自身も自伝の中でこの経緯を記しており、作品に対して確信が持てずにいたことも明かしています。

楽譜は出版されず長らく封印状態が続き、ヴィトゲンシュタインの存命中は他のピアニストへの譲渡も行われませんでした。作曲から25年が経った1956年9月5日、第二次世界大戦による負傷がきっかけで右手を失ったドイツのピアニスト、ジークフリート・ラップによってようやく初演が行われています。

 

ピアノ・スコアについて

ラヴェルが自身の左手協奏曲のピアノ伴奏版を自ら手がけたのとは異なり、本作のピアノ・スコア(オーケストラ・パートをピアノで演奏する版)はソビエトのピアニスト、アナトリー・ヴェデルニコフ(1920–1993)が編曲しています。ヴェデルニコフはハインリヒ・ネイガウスに師事したソビエト・ロシアの名ピアニストで、ショスタコーヴィチやヒンデミットの作品の初演にも携わった人物です。このOp.53の録音を1960年代に残しており(レオ・ギンズブルク指揮)、西側での知名度は限られていたものの、ロシア国内では高い評価を受けていました。

 

音楽について

独奏部分の大部分は16分音符による単音のパッセージで書かれており、片手独奏でありながら技術的な要求は比較的抑えられています。聴きやすい美しさと不協和が混在した作品で、プロコフィエフらしい皮肉と機知に富んだ瞬間が随所に現れますが、同作曲家の他の協奏曲と比べると、旋律的な魅力やキャラクターの強さという点では異論も散見される作品です。

 

‣ Ravel, Maurice(1875-1937) ラヴェル

· Concerto pour la main gauche

 

譜例(PD作品、浄書ソフトで作成、ソロの初導入部 29-33小節)

ラヴェル「左手のためのピアノ協奏曲」29〜33小節の楽譜(2台ピアノ版)。長い序奏の末にピアノ独奏が初登場する場面。

※ラヴェル自身によるピアノ伴奏版編曲(ソロ+ピアノ伴奏形式:2台ピアノ)から浄書

 

邦題:左手のためのピアノ協奏曲

 

作曲年:1929-1930年
演奏時間:約18-20分
難易度:ツェルニー50番入門以降程度
分類:オリジナル作品(協奏曲)

 

背景

第一次世界大戦で右腕を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインの委嘱により誕生しました。彼はリヒャルト・シュトラウス、プロコフィエフ、ブリテンら多くの作曲家に左手作品を依頼した人物で、ラヴェルとの出会いは1929年のウィーンとされています。

この曲の何が革新的か

最大の革新は、左手作品を「特殊なレパートリー」から「本格的な協奏曲」へ押し上げたことにあります。ラヴェルは「左手のために書いたと感じさせたくない」という姿勢で作曲に臨み、サン=サーンス、アルカン、スクリャービンらの先行作品を丁寧に研究しました。それまでの左手作品の多くが練習曲的な小品や両手作品の翻訳に留まりがちだったのに対し、この協奏曲はオーケストラと対等に渡り合う本格的なソロ作品として設計されたものです。片腕の演奏家を「オーケストラと対峙する英雄」として描いたようにも感じられます。単一楽章の持続的な構造、中間部でのジャズ語法の統合も大きな特徴と言えるでしょう。

なぜ、これほど有名か

同じ委嘱作品群の中で今日最も演奏される理由は、独奏者の存在感を正面に押し出した書法の完成度にあります。加えて、楽譜解釈をめぐるラヴェルとヴィトゲンシュタインの対立が、かえって作品の評判を高めた側面も見逃せません。独占演奏権の失効後、カサドシュが1937〜71年の間に170回以上演奏したことも、広く普及した大きな要因となっています。

左手音楽史での位置づけ

1929-1930年当時、左手専用の大規模な作品はほとんど存在していませんでした。この協奏曲は左手音楽を「独立した音楽語法」として確立した作品と見なされており、以降に書かれた左手作品の多くが、この曲の存在を出発点として持っていると考えられます。左手ピアノ史を「この曲以前・以後」に分けて考えることも、決して誇張ではないでしょう。

 

この作品をさらに詳しく知る

【ピアノ】なぜ、ラヴェルの左手協奏曲は傑作なのか?:左手音楽史から読み解く

 

‣ Reger, Max(1873-1916) レーガー

 

マックス・レーガー(1873年バイエルン州ブラント生まれ、1916年ライプツィヒ没)はドイツの作曲家です。ミュンヘン時代にはピアニストとしても知られ、オルガンとピアノのためのフーガを数多く残しました。J.S.バッハとブラームスの系譜を意識した作曲家として位置づけられています。

 

· Vier Spezialstudien für die linke Hand allein, für Pianoforte

 

譜例(PD作品、浄書ソフトで作成、第4曲 1-2小節)

レーガー「左手のための4つの特別な練習曲 より 4.前奏曲とフーガ  前奏曲」1-2小節

邦題:左手のための4つの特別な練習曲

 

構成

1. Scherzo(スケルツォ) 2. Humoreske(ユモレスク)
3. Romanze(ロマンス) 4. Prelude and Fugue(前奏曲とフーガ)

 

作曲年:1901年
演奏時間:全曲合計 約11分30秒
難易度:ツェルニー40番修了程度
分類:オリジナル作品(独奏)

 

レーガーのピアノ音楽に典型的な4つの性格的小品。半音階的な和声の使用など、彼の特徴がよく出ている作品です。各曲は独立して演奏することも、いくつかをまとめて取り上げることも可能です。

 

スケルツォ
・冒頭から技術的な難所が続く、全4曲の中では最も練習曲らしさを感じさせる作品

ユモレスク
・スタッカートの3度を中心とした、明るい性格の曲

ロマンス
・広い音域を駆使した豊かな音響を持つ叙情的な曲
・アンコールで単独で演奏されるのも耳にする

前奏曲とフーガ
・3声のフーガで書かれている
・4曲中最も比重が大きく、演奏時間も約5分に及ぶ
・全4曲の中では最も難易度が高いが、単独で演奏される機会は一番多い

 

‣ Reinecke, Carl(1824-1910) ライネッケ

 

カール・ライネッケ(1824年アルトナ生まれ、1910年ライプツィヒ没)はドイツの作曲家・ピアニスト・指揮者・教育者です。シューマンと親しく、リストにもその演奏を評価されました。ライプツィヒ音楽院の院長とライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の指揮者という二つの要職を長年にわたって務め、ドイツのロマン派の伝統を守る立場として知られています。

 

· Zwei Charakterstücke und eine Fuge, Op.1 — Fuge

 

譜例(PD作品、浄書ソフトで作成、1-4小節)

ライネッケ「2つの性格的小品とフーガ Op.1 より フーガ」1-4小節

邦題:2つの性格的小品とフーガ Op.1 より フーガ(左手のみ)

 

作曲年:1837年
演奏時間:約2分
難易度:ツェルニー40番入門程度
分類:オリジナル作品(独奏)
備考:「2つの性格的小品」は両手作品。フーガのみが左手独奏

 

連打を交えた特徴的な主題によるポリフォニックなフーガで、曲の最後はホモフォニー風に変わり、perdendosiで静かに遠ざかりながらピカルディ終止で締めくくられます。手が大きくないと弾きにくい箇所があります。

 

· Eine Klaviersonate für die linke Hand allein, Op.179

 

譜例(PD作品、浄書ソフトで作成、第1楽章 1-3小節)

ライネッケ「左手のためのピアノソナタ ハ短調 Op.179 第1楽章」1-3小節

邦題:左手のためのピアノソナタ Op.179

 

作曲年:1884年
演奏時間:全曲合計 約15分
難易度:ツェルニー50番入門以降程度
分類:オリジナル作品(独奏)

 

19世紀に出版された左手独奏のためのピアノソナタとしてはジチーのものと並ぶ稀少な作品で、やや小規模ながら演奏会でも独立して成り立つソナタです。4楽章構成で、各楽章は伝統的な形式に従っています。

第1楽章:Allegro moderato:ソナタ形式
第2楽章:Andante lento:ハンガリーの民謡「Nemenj rózsám a tarlóra」を主題とした変奏形式
第3楽章:Menuetto:スケルツォ風のメヌエット、トリオを含む
第4楽章:Allegro molto:ロンド形式、無窮動風の部分とマーチ風の部分が登場する

19世紀ロマン派の和声語法を基調とし、シューマンやブラームスへの影響が見られる一方で、保守的な書法にとどまっているという評もあります。

 

‣ Rybicki, Feliks(1899-1978) フェリクス・リビツキ

 

フェリクス・リビツキ(1899年1月24日ワルシャワ生まれ、1978年8月24日同地没)はポーランドの作曲家・指揮者・教育者です。ワルシャワ音楽院で作曲と指揮を学び、ワルシャワ・フィルハーモニーの合唱指揮者も務めました。1952年と1977年に首相賞を受賞するなど、子どものための作品で特に高い評価を得ました。ポーランド国営放送での音楽活動も長く、多数のラジオ・映画向け音楽を手がけています。

 

· Etiudy (Etudes) for the Left Hand, Op.54

 

※著作権保護期間中につき、譜例は掲載不可

邦題:左手のための練習曲 Op.54(全20曲)

 

作曲年:1964年以前(出版は1962~1965年)
演奏時間:番号による
難易度:ツェルニー30番中盤程度(易しいもの)〜ツェルニー50番入門以降程度(難しいもの)
分類:オリジナル作品(独奏)

 

作品の概要

全20曲からなる左手独奏のための練習曲集で、元々は3巻に分かれて1962〜65年に出版されました。

単純な技術訓練に留まらず、特に後半の数作は楽曲としての魅力も兼ね備えた仕上がりになっています。難易度は番号が進むにつれて概ね高くなりますが、必ずしも番号順に難しくなるわけではありません。

第15番以降は強弱・発想記号の指示がなく、演奏者の判断に委ねられています。第19番(セレナーデ)、第20番(ヴォカリーズ)の2曲には、タイトルが付されており、演奏会用楽曲としての意図もあったことが想像できるでしょう。

音楽之友社版(F.リビツキ 左手のためのピアノ・エチュード 作品54)には各番号の詳しい日本語演奏解説が付されており、学習上の参考として有益です。

 

特徴的な奏法・書法

一般の古典的な練習曲集には珍しい奏法も含まれているのが、本作の特徴の一つとなっています:

第1番:
ソステヌート・ペダルが用いられている

第19番(セレナーデ):
サイレント・キー(音を立てずに鍵盤を静かに押さえ、対応するダンパーを解放する奏法)が用いられている

このような現代的な奏法が含まれながらも、全曲を通じて音楽は聴きやすく、親しみやすい性格を保っています。

 

この作品についてさらに詳しく知る

【ピアノ】リビツキ「左手のための練習曲 Op.54」完全ガイド

 

► 終わりに

 

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